お問い合わせ

教員紹介

  1. HOME
  2. 教員紹介
  3. 卓 彦伶

講師
卓 彦伶CHO Yenling

研究室
文学部棟306
MAIL
taku@let.hokudai.ac.jp
URL

ミュージアムと地域社会の関係性を考える際、ミュージアムの本来的な機能に基づき地域や市民に伝える部分と、ミュージアムの持つ力を活用し、地域課題の解決やまちづくり、観光振興、社会包摂などに結びつく部分が同時に存在しています。特に近年ミュージアムに求められる地域社会における役割・機能では後者の部分が強調されていると言えます。
私の研究は、ミュージアムと地域社会の関わりやその社会的効果に着目しています。これまで、特に小規模ミュージアムにおける市民主体運営のあり方とミュージアムの地域連携活動による社会的効果の測定について取り組んできました。また、最近では、ミュージアムに期待される役割やミュージアムが置かれている経営環境などミュージアム全体に関わる側面だけではなく、各現場で地域に向き合う学芸員のか活動にも注目しています。
ミュージアムが持つ役割について、大きく「ひとづくり」と「まちづくり」の2つに分けることができます。ミュージアムの機能を通して、私たちの生活に身近な課題に働きかけることは、「幸福とは何か」、「誰にでも優しい社会とは何か」を考えるための手掛かりにもつながると思います。これは、まさにミュージアムが持つ「ひとづくり」の役割であると理解しています。ミュージアムが持つ資源、機能をさまざまな分野で活用し、地域課題の解決、観光産業・地域経済への寄与など「まちづくり」の役割について近年は特に注目されています。この2つのどちらも適切な評価がなければ、ミュージアムの地域での存在意義も明らかにできないと考えています。
社会装置としてのミュージアムに期待しつつも、そこに関わる多様な「ひと」の活動にも注目していきたいです。

学生へのメッセージ

ミュージアムと地域社会の関係性を一言で言っても、地域における多様な主体との相互作用が交じり合っています。
各地域の個性・特性に応じて、ミュージアムに求められる役割も変わってきます。そのため、研究を進める上で、ミュージアムの活動に注目するだけではなく、地域社会における多様な主体が求めるミュージアム像について把握するために、各地域の実情をするためのフィールドワークも重要視しています。また、ミュージアムという場で活動しているボランティア、友の会や地域の多様な主体と市民の声、これらに寄り添う学芸員といった人々の思い・考え方も拾い上げていくように意識していきたいです。
ミュージアムと地域社会の関係性、ミュージアムが地域社会にもたらす価値について関連分野の手法を取り入れながら探求してみませんか。

主な業績

  • 「博物館における評価の展開と手法に関するレビュー」『博物館学雑誌』49 (1):65-89、2023年
  • 「成長と老いとミュージアム-まちの老いと人びとの記憶-」、今村信隆・佐々木亨(編)『学芸員がミュージアムを変える! : 公共文化施設の地域力』 (水曜社)、第7章、2021年
  • 「博物館連携に関する研究動向とその実態:1970年代以降の学会誌の分析を中心に」『博物館学雑誌』44 (1):107-159、2018年
  • 「1970年代以降の博物館における連携活動に関する施策の変遷」『北海道大学大学院文学研究科研究論集』 17:1-29、2017

一覧へ戻る

ページトップ

お問い合わせ・連絡先:北海道大学大学院 文学院 文化多様性論講座 博物館学研究室

住所:〒060-0810 北海道札幌市北区北10条西7丁目 MAIL:museology(a)let.hokudai.ac.jp

Copyright© Museology Research Laboratory. All rights reserved.