北海道大学文学大学院 文学院 人文学専攻 文化多様性講座 人類学研究室

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新着情報・お知らせNews & Topics

2024.4.5 new
学生紹介を更新しました。
2024.3.19 new
「2024(R6)年度の「学芸員」資格取得ガイダンスの開催について」
2024.3.1 new
学位論文を更新しました。
2024.1.16 new
「GAME STARTⅡ これからのビデオゲーム展を考える」(2/10-4/14・北大総合博物館)開催のお知らせ。
2023.7.11
「教員の公募について」ー※募集は終了しました。ー
2023.12.16・17 new
北海道大学サイエンスフェスタ2023で学部3年の青山希望さん、上田輝さん、学部4年の石本万象さん、池田圭吾さんが「ヒグマのとなり←つかず、はなれず→」、博士3年寺農織苑さんが「ALL ABOUT DOYSSEY」展を開催しました。
2023.7.11
「教員の公募について」ー※募集は終了しました。ー
2023.6.6
修士2年の阿部麟太郎さんの「アンケート調査による日本エコミュージアムの現状把握」が『エコミュージアム研究』No.28に、博士3年寺農織苑さんの書香の森展示コーナーの企画展を紹介した記事が『展示学』第65号 に掲載されました。
2023.5.26
博物館学研究室・地域科学研究室・理学部進化古生物学研究室企画「ヒグマのとなり←つかず、はなれず→」展示のご案内(5/26-8/6文学部棟1階「書香の森展示」コーナー)
2023.5.23
JSTサイエンスポータルに久井准教授のインタビュー記事が掲載されました。
2023.3.23
「2023(R5)年度の「学芸員」資格取得ガイダンスの開催について」
2023.2.9
「2023(R5)年度の博物館実習ガイダンスの開催について」
2022.10.28
博物館学研究室・文化人類学研究室・芸術学研究室・地域科学研究室共催「深」動物撮影関係論展示のご案内(10/28-1/20文学部棟1階「書香の森展示」コーナー)
2022.5.19
「アイヌ文化史辞典」のご案内
2022.5.11 img src="common/images/jp/img_new.gif" alt="new">
久井先生より「宮島沼でマガンの観察」報告
2022.3.29
R4「学芸員」資格取得ガイダンスの開催について
2022.3.25
修士1年石正萌さん個展「黒と白・切り絵の世界」(3/22-27)のご案内
修士2年田村実咲さんと佐々木亨研究室「開講、木彫り熊概論!」(3/11-5/27)展示のご案内
博士1年寺農織苑さん市立小樽文学館企画展「ゲームの本」(3/5-4/24)のご案内
(市立小樽文学館企画展「ゲームの本」(3/5-4/24)ウェブサイト)

研究室の紹介Introduction

博物館学研究室 准教授 久井 貴世歴史資料を用いた野生動物研究

博物館学研究室には、「博物館学」と「動物に関する歴史・文化」の2本の柱があります。私が担当するのは「動物に関する歴史・文化」ですが、これは「博物館学」の教育・研究の基盤となる「コンテンツ」と「マネジメント」という2つの領域のうち、ミュージアム資料としての動物としてコンテンツ領域にも係っています。

私は、主に江戸時代の歴史資料に残された動物の記録を用いて、野生動物に関する歴史や文化を解明する研究に取り組んでいます。過去の分布や生態、行動など野生動物自身の実態と、狩猟や保護、人との軋轢、食文化、飼育、流通、贈答など動物と人との関わりの二つの側面から、とくにタンチョウやナベヅルなどのツルを専門とした研究を行ってきました。江戸時代の資料からは、当時の日本列島には全国各地にツルが生息していたことや、領主の鷹狩でオオタカを使ったツルの狩猟が行われていたこと、ツルを塩漬けにした「塩鶴」が贈答品として珍重されていたこと、ツル料理は最上級のおもてなしだったことなど、現代では考えられないような興味深い事実が次々と明らかになります。ほかにも近代日本の動物園における飼育動物の歴史や、アイヌ民族と動物との関わりなど、動物と人との関係を解明するうえで重要な研究にも取り組んでいます。

野生動物の過去の実態を調べることは、現代社会における野生動物と人との関わりの問題を考えるうえでも無関係ではありません。現代の野生動物と人の関わりの現場と連携する機会も多く、たとえばツルに関する過去の情報は、歴史的な分布の実態や人との関係性を示す根拠として現代の活動の現場でも活用されています。実社会と関わることは研究意欲の向上や達成感につながるだけでなく、自身の世界を広げる絶好のチャンスでもあります。

野生動物の歴史や文化に関する研究分野は多くの可能性を秘めた分野であり、これからの発展が大いに期待できる分野であると考えています。豊かな発想と熱意をもつ皆さんと共に、この分野の発展と将来を担っていけることを期待しています。